一度遺産分割協議を行ったけれど、もう一度遺産分割協議をやり直したい。
そのようなケースもあると思います。
でも、一度決まってしまったものをやり直すことはできるのでしょうか。
今日はその辺について解説していきたいと思います。
まずは結論
遺産分割協議のやり直しは可能です。
ただし、原則として「相続人全員の合意」が必要になります。
例外として、遺産分割協議の際に強迫や詐欺のような問題があった場合には、全員の合意がなくとも「取消」が可能です。
しかし、実際問題「詐欺や強迫があったので取消して遺産分割協議をやり直しましょう」と一般の方達だけで進めることはないと思います。
詐欺や強迫があった場合には、弁護士や警察に相談しようと考えるのが通常だと思いますので。
よって、基本的には「遺産分割協議をやり直すには、全員の合意が必要」と考えてよろしいかと思います。
いつまで遺産分割協議をやり直せるの?
遺産分割協議をやり直せる期間は決まっていません。
よって、10年前の遺産分割協議でも相続人全員の合意があればやり直しは可能です。(上記の取消の場合には、5年の時効があります)
遺産分割協議をやり直した場合のデメリットはないの?
遺産分割協議自体はやり直せるのですが、すでに完了してしまった手続きについてはどうなるのでしょうか?
登記手続きが完了してしまっている場合
すでに遺産分割協議をして相続登記が完了している場合には、所有権抹消登記や更正登記を行う必要性が出てきます。
一度、有効に成立しているものを取り消して、再度登記をし直すことになるので、それなりに手間と労力がかかることにはなります。
ちなみに、まだ登記が完了していなければ、遺産分割協議書だけ作成し直して登記をすればいいだけですので、それほど手間はかかりません。
贈与税や所得税が発生する
遺産分割協議をやり直すと「二重課税」となるリスクがあります。
遺産分割の再協議によって当初とは別の人に不動産などの財産を相続させると、税法上は「贈与」となるからです。
つまり遺産分割協議をやり直すと、当初の「相続税」とは別に「贈与税」や「所得税」が発生してしまうケースがあるので注意しなければなりません。
不動産取得税や登録免許税は発生する
遺産分割をやり直すとき、財産の中に不動産があれば注意が必要です。いったん行った相続登記もやり直さねばならないため、新たな手間や登録免許税が発生します。
またやり直した場合には「贈与」や「売買」の扱いとなるため、不動産取得税もかかります。
遺産分割協議をやり直すと税負担が重くなるケースが多いので、再協議前に税理士に相談して税金のシミュレーションをやっておいた方が良いでしょう。
まとめ
まとめです。
遺産分割協議には、時効もないので相続人全員の合意があればいつでもやり直しが可能。
ただし、一旦有効に成立した協議をやり直すことになるので、労力がかかり税金面での負担が大きくなる。
遺産分割協議をやり直す場合には、専門家の意見を参考に相続人間できちんと話し合いをする必要がある。
以上です。
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