よくある勘違い 相続時の相続分は決まっている?

弊所で相続案件をお受けしていると、「相続人の相続分って決まっているんですよね?」とよく聞かれます。

確かに「法定相続分」は民法の規定で決まっているのですが、この法定相続分と全く違った形式で相続内容を決められることを知らない方もいます。

今回はそのあたりについてお話ししていきたいと思います。

目次

まずは結論!!

まず結論ですが、「法定相続分は決まっているが、どのような相続内容で相続するかは自由」です!

具体的な例を出します。

父・母・長男・次男の四人家族で父が死亡し、相続が発生したとします。

この場合の法定相続分は、「母持分4分の2、長男4分の1、次男4分の1」です。

このような場合に、必ずこの法定相続分通りの割合で相続する必要はありません。

例えば、「母が全て相続する」「長男が全て相続する」でも大丈夫ですし、「不動産については母が全て相続し、預貯金については長男・次男が2分の1の割合で相続する」と定めても大丈夫です

つまり、「相続人間で合意していれば、どのような内容の合意でも大丈夫」ということになります。

法定相続分とは何?

一応、法定相続分について解説しておきます。

法定相続分とは、民法900条に定められており、内容は以下のとおりです。

第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

 1.子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。

 2.配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。

 3.配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。

 4.子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

ちょっと内容が分かりづらいですが、要約すると以下の内容になります。

①相続人が、妻と子の場合は「妻2分の1・子2分の1の割合で相続する」

②相続人が、妻と夫の親である場合には、「妻3分の2・親3分の1の割合で相続する」

③相続人が、妻と夫の兄弟である場合には、「妻4分の3・妻の兄弟4分の1の割合で相続する」

少し端折っていますが、概ねこんな内容です。

みんなどうやって相続内容を決めているの?

さて、ここまで「相続内容は自由」、「法定相続分はこのような内容で定められている」ということを解説してきたわけですが、じゃあ実際どのように皆さんが相続内容を決めているかということについてお話ししていきます。

まず、相続内容を決定していく上で法定相続分は参考程度にしておけばOKです。

その上で、今回の相続を通じて今後どのように相続財産を引き継いでいくかを念頭に協議を行なっていくのがベターだと思います。

例えば、上記で解説した例と同じように「父、母、長男、次男」の四人家族で父が死亡した場合、皆さんがよく考えられる協議内容は「とりあえず母に相続してもらう」というものです。

ただ、この「とりあえず母に相続してもらう」というのはリスクを孕んでいます。

仮に母が認知症になってしまった場合、施設に入居することになり、不動産を売却しようとしても有効な法律行為を行えないため、売却手続きは行えません。(成年後見手続きを通じて売却できるケースもありますが、簡単ではありません)

また、認知症とまではいかなくとも、高齢の母が不動産を売却しようとして不動産屋に出向き、手続きを完結させることは容易ではありません。

さらに、一旦母に相続してもらって、認知症になる前に生前贈与をすればいいのではないかと考える方もいらっしゃいますが、認知症かもしれないと家族が判断することは、感情の問題もありかなり難しい判断になります。

少なくとも「とりあえず母に相続してもらおう」という決断には、このようなリスクがあることを覚えておく必要があります。

では、子供達に相続してもらえば解決するのかというと意外とそんなこともありません。

家族仲がそれほどよくないケースの場合、実家を売却するかで揉めたり、所有者を子供達にしたことによって子供達に毎年の固定資産税の支払いが生じて金銭的に苦しくなることもありえます。

したがって、「母が相続したらこんなメリット・デメリットがあるよね」「子供達が相続したらこんなメリット・デメリットがあるよね」「将来的に財産はこういう風に処分したいよね」等々・・ご家族で綿密に話し合って相続内容を決めていくことがもっとも肝要であるといえます。

財産の分け方は千差万別 完璧な相続は存在しない

上記でお話ししてきたように、相続手続きにおいては基本的にどのような分割方法も可能です。

ただし、相続において今後のあらゆるトラブルに対応した完璧な協議など存在しません。

これはそもそも被相続人存命中から存在しえないものです。

そして、ご家族の誰かが亡くなったということは、家族も徐々に年をとり、次の相続を考えるタイミングであるからこそ様々な不安や心配が出てきます。

私も専門家として多くの相続問題を扱ってきましたが、「大丈夫だと思っていた保険が請求できなかった」「相続で揉めることなんてないと思っていたのに、大揉めになってしまい手続きできなくなってしまった」など、なんでこんなことになってしまったんだという例を数限りなく見てきました。

そうならない為に、相続が発生した後も当然ですが、相続が発生する前から遺言などによって対策したりして、円満な相続を実現して欲しいと思っています。

そして、その為に専門家を有効活用してご自身の悩みを取り除いて欲しいと思います。

あおやぎ司法書士事務所では、あらゆるお悩みのサポートを幾度となく行なっております。

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