相続手続きは自分でやる?司法書士に頼む? この記事で全て解決!

この記事は相続手続きを自分でやるべきか、司法書士に依頼すべきか迷っている方向けの記事です。

相続登記が義務化されることが確定した昨今、できるだけ安く手続きを終えたいと考える人が多いと思います。

自分でやれるのであれば、お金も安く済むし自分でやった方がいいのかな?

でも、やること全部がわかっているわけじゃないし、どのくらい大変かも分からないし・・

この記事を読んでいただければ、自分で手続きを行うか、司法書士に依頼するか判断できます。

お悩みの方はぜひご一読を!!

では、スタートです。

目次

そもそも相続手続きって自分でできるの?

できます!

司法書士に限らず、全ての士業は「代理人として」本人の代わりに手続きを行なっているに過ぎません。

逆に本人ができないことは士業もできません。

勿論専門的な知識があるので様々な方法を提案してくれますが、「ウチの相続手続きは簡単だから専門的なアドバイスとかいらないよ」という方は自分で手続きしてしまってもいいかもしれません。

相続手続きの必要書類は?

被相続人が誰なのか、相続人が誰なのか、財産は何があるのか、によって相続手続きで収集する書類は大きく変わります。

よって、確定的なことは言えませんが、一般的な必要書類は以下のとおりです。

  1. 被相続人の出生〜死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍
  2. 相続人の現在戸籍
  3. 被相続人の住民票の除票又は戸籍の除附票
  4. 不動産を相続する人の住民票
  5. 各相続人の印鑑証明書
  6. 固定資産評価証明書(最新年度版)
  7. 登記簿謄本
  8. 預貯金等がある場合には、各銀行の相続手続き届出書

どうでしょうか?

文字にしてみると、それほど収集する書類は多くないように感じるのではないでしょうか?

でも、自分で相続登記をやってみようと思っても、一番挫折するのがこの戸籍収集の段階なのです。

なんで戸籍集めで挫折するの?

挫折する理由はいくつかあります。

被相続人の出生〜死亡までの戸籍だけで4〜5通程度は取得する必要がある。

単純に被相続人の最新の戸籍謄本だけを取得すればいいと思っている方も多いのですが、「出生〜死亡まで」の戸籍を取得する必要があります。

そうすると、こんな流れで戸籍を取得する必要があります。

  1. まず現在の本籍地で取れるだけ被相続人の戸籍謄本を取得する
  2. 転籍前の本籍地や結婚前の本籍地で更に戸籍を取得する
  3. 被相続人の親の戸籍を取得する(被相続人の出生時の戸籍を取得する)

そこで必要になってくるのが、「戸籍を読む」ことです。

戸籍を読むってどういうこと?

戸籍は、様々なルールによって作成されています。

例えば、生まれた時は通常親と同じ戸籍に入ります。

その後、結婚したり転籍したりした場合に新たに戸籍が作り直されることになるのですが、その時代時代の法制度によってこの戸籍が作り直されるルールが違います。

例えば昔は戸籍が「家」単位で構成されていました。

従って、戸主が定められておりその妻や親・兄弟・兄弟の妻・兄弟の子(甥・姪)を一冊の戸籍の中で管理していました。

要は戸籍の中に記載されている人数がめちゃくちゃ増えます。(しかも昔は子沢山です)

それと昔の戸籍は全部手書きです。

おかげで字が擦れていたり、ぐちゃっとしていたりで、正直判別できない文字も多々見受けられます。

また、今ではアラビア数字で統一されていますが、「令和1年2月13日」は「令和壱年弐月拾参日」のように馴染みのない書き方がされています。

何が言いたいかというと、読み解くのにとても労力が必要となります。

次に戸籍の取得地の問題があります。

戸籍はどこで取ればいいの?

戸籍は「本籍地」の市区町村役場で取得する必要があります。

住所地ではなく、「本籍地」です。

例えば、現在の本籍地が西東京市であれば、「西東京市で戸籍を取得」し、更にその前の本籍地が杉並区の場合には「杉並区で戸籍を取得」する必要があります。

問題になるのは「遠隔地」の場合です。

仮に東京在住の人が、東京の戸籍、大阪の戸籍、熊本県の戸籍、青森県の戸籍を取らなければ場合はどうしたらいいでしょうか。

この場合、郵送で戸籍を取り寄せることになります。

郵送で戸籍を取り寄せる場合には、

  1. 戸籍請求書(各市区町村のホームページからダウンロードします)
  2. 返信用封筒
  3. 自分の身分証明書
  4. 定額小為替

を同封して各市区町村に請求する必要があります。

また、市区町村が合併等によって既にその本籍地が消滅していることがあります。(西東京市も昔は保谷市と田無市でした)

その場合は、合併後の市区町村役場を調べて請求をかける必要があります。

ところで皆さんは定額小為替って使ったことありますか?

私はこの仕事に就くまで見たことも聞いたこともありませんでした。

少なくとも「日常的に使ってるよー」という方はなかなかいないと思います。

既にここまでで戸籍を読む」能力が必要で、「使い慣れない書類を使用して戸籍を収集する」必要があることが分かります。

時間がかかる(市役所からの問い合わせがくる)

最後にトドメの一撃です。

戸籍を郵送で請求する場合、役所1箇所につき1週間〜2週間程度の時間がかかります。

4箇所に戸籍を取得しなければならない場合には、最低1か月程度の時間がかかるということになります。

しかも、郵送請求した場合に、内容が判然としない場合には役所から確認の連絡が入ります。

見たこともない書類に関して、「どこまでの戸籍が必要なんですか?」とか聞かれても「わからない・・」ってなってしまいますよね。

合わせ技で心が折れる

まとめですが、戸籍を集めるには

  1. 戸籍を読む技術が必要で
  2. 見慣れない書類を使って遠方の役所に請求をかけて
  3. 長期間に渡って手続を行う

必要があるということになります。

また、近くの役所だから戸籍を取りに行こうとしても、平日の昼間(9時〜17時)に取得しに行く必要があります。

これは平日昼間に仕事をしている人達にとっては大きなデメリットです。

しかも苦労して書類を集めても、結構な確率で書類が足りていません(笑)

普段見たこともない書類で細かい手続きを行おうとしているのですから当然です。

上記のような理由から多くの人達が相続手続きを自分でやろうとしても挫折してしまうのです。

預貯金等の相続手続き書類の集め方

これは各金融機関に連絡して書類を送付してもらうだけなので、集めること自体は簡単です。

ただ、一点だけ注意が必要です。

それは「口座が凍結される」ということです。

金融機関に連絡を入れると、その時点で誰が亡くなったのか等を聞かれ、すぐに口座凍結がなされます。

つまり、預貯金等の引き出しができなくなります。

例外はありますが、少なくとも自由な引き出しはできなくなりますので注意してください。

(電気料金や家賃の引き落としなども全て止まります)

戸籍を集めてからやっと書類作成が始まる

更に相続手続きはまだまだ続きます。

戸籍関係の書類が集まったら、今度は書類作成です。

作成しなければならない書類は以下のとおりです。

  1. 登記申請書
  2. 遺産分割協議書
  3. 相続関係説明図(戸籍を全てコピーすることでもOK)

登記申請書の作成

さて、まずは登記申請書なのですが、皆さんは作成したことがあるでしょうか?

普通ないですよね。

法務局のホームページに沢山雛形があるので、それを基に作成して行くことになるのですが、合わせて登記簿謄本から情報を読み取りながら申請書を作成する必要があります。

登記申請にも様々なルールがあり、例えば底地(被相続人単独所有)・建物(被相続人単独所有)・私道持分10分の1を登記する場合で考えてみます。

この場合、登記申請は2件に分ける必要があります。

詳細は省きますが、登記の目的が「所有権移転」と「被相続人持分全部移転」と書く文言が異なるからです。

その他にも持分を記載しなければならなかったりするので、1枚の申請書では一気に登記することができません。

もし1枚の登記申請書で法務局に申請してしまうと「補正」となり訂正を求められます。(もう一度法務局に出向く必要があります)

また、登記を申請する場合には、「登録免許税」という税金を収入印紙で納める必要があります。

納税額は自分で計算する必要があり、「固定資産評価証明書の評価額✖️1000分の4」にて登録免許税を計算します。

ただ、計算にあたって端数を切る必要があったり、課税価格が0円と記載されていたり、マンション底地の持分割合を計算する必要があったりして一筋縄ではいきません。

遺産分割協議書の作成

次に遺産分割協議書の作成です。

これも雛形がネット上に沢山あるのでそれを参考にしながら作成します。

この協議書の中には、遺産分割協議で決まった内容を全部盛り込んでいくのですが、「書き方がわからない・・」となることがほとんどです。

不動産については色々な雛形が出てくると思うのですが、預貯金・株式・車etcの財産があって、かつそれぞれ相続する内容が異なる場合(例えば妻が不動産を相続して、兄が預貯金を相続、弟が株式と車を相続する)にはもうパニックです。(笑)

きちんと書き上げるにはかなり色々な資料を収集して正確に書類を作成する必要が出てきます。

また、相続した財産を相続人の内の一人が代表して相続して売却し、その後売却代金を相続人間で平等に分配したいというケースもよくあります。

これもきちんと記載しないと、贈与とみなされて贈与税が課される可能性があります。

「こんな感じでしょ!」と作成した書類で多額の税金がかかるとなってしまったら・・考えるだけでも恐ろしいです。

また、遺産分割協議書は必ずしも連名で作成する必要はないのですが、連名形式のものが沢山出てきます。

単独形式のもので作成する場合には、ちょっと記載方法が変わったり書類名が変わったりすることもあるのでこれも注意が必要です。

連名形式で作成すると、相続人全員に回して署名・捺印をしなければならず、遠方に住んでいるとかなり手間がかかります。

ちょっとしたことですが、手間をできるだけかけないように手続きを進めることでスピード感をアップすることができます。

相続関係説明図の作成

最後に相続関係説明図の作成です。

これは相続関係を1枚の表にして内容をわかりやすくしたものです。

戸籍を全部コピーして法務局に提出してもいいのですが、全部コピーするとなると結構な枚数をコピーすることになるのでかなり手間です。

この相続関係説明図を添付すると戸籍をいちいちコピーする必要がなくなるので、作ることをお勧めします。

これも雛形がネットに落ちているので、そこから作成してもらうのがいいと思います。

預貯金等の相続手続き届出書の記入

先に収集しておいた手続き書類に記入しておきます。

窓口で手続きもできますし、郵送で手続きも可能です。

ただ、一旦各書類の原本を提出する必要があるため、一気に手続きを進めたい方は窓口に出向いてその場でコピーを取ってもらう必要があります。

やっと書類が出揃った!!

ここまできたらあとはもう少しです。

あとは署名・捺印をして製本(ホチキス留め)して法務局や各金融機関に提出するだけです。

本当にお疲れ様でした。

一連の流れはわかりましたか?

いかがでしたでしょうか?

これがおおよその相続手続きの流れです。

さて、ここまでで何かわからないことはありませんでしたか?

相続税のことや預貯金の口座を止めるタイミングなど色んな疑問が出てきたのではないでしょうか?

そして、手続きを自分で終えた今、その疑問はきちんと解決できましたか?

ここまでの解説を読んで、「全く問題なさそうだな」と思った方はご自身で手続きを行なった方がいいと思います。

司法書士に依頼しなくてもご自身の知識できちんと解決できるでしょう。

ただ、ここまで読んで「こんなにやることあるの・・」「よくわからなかった・・」という方は司法書士に依頼することをお勧めします。

非常に労力が要りますし、時間もかかります。

司法書士に依頼してしまえば、印鑑証明書を取る以外は基本的に「連絡を待ってるだけ!!」です。

相続手続きは自分でやるか、司法書士に依頼するか

では、まとめです。

ここまでの内容を読んで、「自分でできる」「疑問は全部解消できた」と思えた方はご自身で手続きすることをお勧めします。

十分な知識とやる気を持っている方だと思います。

逆に、「これはちょっと無理だな・・」と思った方は司法書士に依頼しましょう。

お金はかかりますが、適切に手続きを遂行してくれますし、アドバイスもしてくれます。

また、相談手続きをする場合にはできるだけ早めにしておくことを推奨します。

相続手続きには期間制限があるものがあるからです。(相続税や相続放棄の手続きなど)

私は今までに、「もうちょっと早く相談に来てくれていたら、他の解決策もあったのに・・」という案件を沢山見てきました。

中には、円満な解決に至れなかったケースもあります。

そういった事態を防ぐためには早めに相談し、解決のための方策を早くから検討しておく必要があるでしょう。

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